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久々の京都にて

京都は学生時代、6年間もお世話になったまちだ。

これまでの人生では神戸、東京に次いで縁が深い。

私のなかで京都は学生時代、日本庭園や茶の湯の文化、孤立緑地や森林の生態系を学ぶフィールドだったが、今では日本古来の町家家屋や伝統行事、四季の移ろいを味わえる精神安定剤のような場所になっている。

先日、時間ができたので錦市場から京都御所を抜け今出川から糺の森まで徘徊してまわった。帰りは先斗町・高瀬川沿いをぶらぶらしての半日の小旅行だった。

コロナ禍で人の出は観光シーズンの5分の1くらいの印象だが、少なくとも20年前の京都はこんな感じだったのではないだろうか。そんななかで改めて気付いたことがあった。

ひとつは、店舗が随分と変わっていたこと。

商店街はかつて沢山あった個人経営の飲食店や古着屋が姿を消し、国内外の観光客を目当てにした土産物を売る店が多く見受けられた。

先斗町においては敷居の高くない一見客相手の飲食店が増えていた。

しかし代官山にある韓国料理店「李南河」が先斗町に出店していたのには驚いた。

そしてもうひとつは、昔ながらの名店も時代の流れにアジャストしながら逞しく生き抜いていたこと。

無限に食べられる蓬麩が人気の錦市場「麩嘉」はお洒落な店舗に生まれ変わり、イートインもできるようになった。

帰り道によく立ち寄った京都御所前「一保堂茶舗」は随分と前に本格的なイートインスペースができた。

SNSで火がつき以前にも増して行列が長くなった豆餅の名店、出町柳「出町ふたば」は整理係を置いて混雑対応に磨きがかかっていた。

今回は昼夜予約せずアンテナに引っかかったリーズナブルなお店で食事を愉しんだが、おばんざいや京野菜の美味しいこと。

やっぱり和食は美味しいよ。京都は歳をとってからが余計に愉しいと再認識させられた一日だった。

また近いうちに訪れたい。

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