これまで大阪でスペイン料理を頂いた記憶がなかった。
かつて堂島にあったスペインバルのパイオニア的存在、「TORAバルハモンハモン」と今をときめく西大橋のバスク料理の雄、「アラルデ」。
具体的な店名を聞かれてもこの2店くらいしか思いつかないし、ハモンハモンに至っては、店主が亡くなって閉店したのが随分前の話。
私のなかでほとんど情報が更新されてこなかったワケだ。
しかし先日、本町界隈を訪れた際にフラリと立ち寄った店がなかなか小洒落ていて、「大阪のスパニッシュ、イイかも」と今後のリサーチ意欲をくすぐられたので、ちょっくらご紹介したい。
店は本町駅から程近く、「エチョラ」というレストランだ。かつてのミシュランガイドではビブグルマンを獲得したこともある。
店内はカウンターとテーブル席から構成されるシックな空間。12:00前というのに若い女子どうしやオジサンのグループで大盛況だった。
さて、今回頂いたのは¥2,750のランチコース。随分とお手頃な価格帯だ。
まずは白でカンパイ。
まずは付き出しのピンチョス2品から。
パンの上にイカとナスか。フリットは白身魚。
神戸・元町の「シリミリ」以来?久しぶりに頂いたな。こういうの。イイわぁ。
パン。
紅ズワイガニのグラタン。
これは濃厚で味わい深い。もっとデカイ殻に沢山入れてくれぃ。
思わず赤ワインが欲しくなる。
タラ白子とアサリのごはん。リゾットです。
米が一つひとつ立っています。
ベースはアッサリしているが、出汁の重層感と白子の濃厚さがイイ仕事しています。
メインはガリシア豚の炭焼き。
身は適度に弾力があり柔らかく、脂が甘くてジューシー。
ガルニのポテトが素朴だがこれまたウマイ。食べ応えのある、なかなかお値打ちな一皿だ。
まぁ、昼からワインが進むではないか。
デザートのアイスクリームはフレッシュとコンポートにした無花果をあしらって。
甘くて爽やか~。ストンと胃袋に落ちてくれてサッパリした。
食後のエスプレッソ。
ご馳走様でした。
ワインを3杯も頂いたので結局、お会計は倍以上になったが、それでも十分に満足できる内容だった。
正直、これといった特長は見出せなかったが、すべてがバランスよく収まっており、言わばトータリティの勝利だろう。
食後もひっきりなしに老若男女問わず次々にお客が入ってくる様子はこの店の懐の深さを物語っていた。
同時に、いよいよ日本もコロナ禍から抜け出しつつあるのではないか…そう期待させる繁盛ぶりを嬉しく思った昼下がりだった。