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拝啓 岸本さん

◎うさぎの会:1975年生まれで卯年の岸本さん。同学年に「ハナタニ」花谷さん、「ブラッスリー・ロバボン」小場佐さん、「ヴィーコロ」田邊さんがいて、この4人は大の仲良し。かたちは違えど「HOT」(ハナタニ、オバサ、タナベ)が岸本さんの想いを受け継いでいく。

◎オトコ会:岸本さん、常連のHさんと私の男3人で毎年秋に京都に行くという定例イベントを実施していた。ひとり3万円を出しあって予算9万円で昼夜と遊ぶ。第1回であまりに気に入ってリピートした「割烹さか本」。今はなき大名店「桜田」や、岸本さんセレクトの「和食晴ル」。「キーホルダーにしたい」と言っていた「宝泉」のわらび餅。錦市場で買った鯖寿司。借景が美しい無鄰菴や紅葉で真っ赤な詩仙堂…女子とのデートより記憶に残っているかもしれない。

「桜田」にて

◎実は飲めない体質:色んなサイトの口コミに目を通すと、「飲めないお客には冷たい」、「飲めないと伝えると最初にメインまで全部頼めと言われる」というクレームが散見されるが、ビストロは飲んで料理を愉しむべき場所という信念を貫いたんだと思う。岸本さんご本人もお客から酒を勧められたら何杯も飲んで豪快に笑い、まるで店の愉しみ方の手本を自ら体現しているかのようにも見えたが、実はあまり飲めない体質でプライベートでは日本酒1杯で顔が真っ赤になっていた。きっと色々無理をされていたんじゃないかなぁ。

Hさん宅にて

という訳で、まだまだネタは尽きないのだが、今日はこの辺で。

賛否両論は重々承知で、私なりに解釈する岸本さんの生き様や少々誤解されがちな彼の素顔を垣間見てもらえるとありがたい。

一見すると豪放磊落なイメージだが、実は気ぃ遣いで繊細な面があって、皆のイメージと本当の自分のキャラクターとのギャップに悩んでいたんじゃないかと察する。

美味しい料理とお酒、たくさんのイイ話、ユーモアたっぷりのバカ話、公私にわたるお付き合い…岸本さん、今まで本当にありがとうございました。

Tさん、Hさんはもちろん、AちゃんやEさん、Sさん、TNKなど、Becでできた沢山の友人たちも皆哀しみ、あなたのことを懐かしがっています。もちろん私が存じ上げない全てのお客さんも。

あなたのことは一生忘れませんし、ずっと語り継いでいきたいと思います。昔、神戸で1番のビストロ料理人がいて、物理で世界7位を取ったんだと。

是非、天国でもビストロを営業してください。看板は出ていないでしょうが、必ず探し出しますから。

その時はリクエストします、いまだ食べたことのない魚料理を。

どうか安らかに。

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3 Comments

  1. onihei onihei

    突然のコメント、失礼致します。
    私も、定期的にBecに通っており、最後に伺ったのは、今年の4月でした。
    他のお店の方に教えていただき、つい、先日、岸本さんがお亡くなりになったことを、知りました。
    亡くなったことを聞いたとき、絶句しました。
    4月に伺った際、週休3日にされているであるとか、毎朝、海岸を歩いている(それまでは、プールで泳がれていたはず、、、)といったことから、既に、お病気であったのだと、今更ながら気づきました。
    色々なお話を岸本さんとさせていただく中で、ご家族のお話、娘さんのお話を伺っておりました。
    私も、Becでデートし、妻が妊娠し、臨月に伺った時には、元気なお子さんを!と励ましていただき、子供が生まれてからは、1人で食事をしつつ、3歳になったら、連れてきていいですよ、と言っていただいておりました。
    タプナードのパスタも、本当に懐かしいです。
    何を書きたいのかよくわからないコメントになりましたが、思い出を共有させていただき、ありがとうございました。
    引き続き、ブログ、楽しみに拝見いたします。

    • mickeater mickeater

      onihei 様
      初めまして。
      コメント頂戴し、誠にありがとうございます。
      素敵なエピソードを共有いただき、重ねてありがとうございます。
      onihei様も定期的に通っていらしたとのこと、お話を拝聴する限りきっと一度はお会いしたことがあるのでは?と、他のお客さんの顔を思い浮かべていました。
      初めて訃報に接した際、私も同じく絶句してしまいました。私は転勤やコロナ禍でここ2,3年は思うように訪問することができなかったのですが、最後にお会いしたのは2021年12月末でした。
      近年は随分とスリムになられた印象がありましたが、ヨガやサーフィンをして体を絞っていると仰っていたので健康に気を付けていらっしゃるのだなと、特段気にも掛けていませんでした。
      また、お子さんの成長を嬉しそうに話され、週休3日にして一緒にピアノの練習をしたり…とワークライフバランスを保ち、今が一番幸せなんだろうなぁと他人事ながらに嬉しくお話を拝聴していました。
      それだけに今回は突然のことで、岸本さんの心中を察すると本当に胸が張り裂ける思いです。
      onihei様から伺ったエピソードは改めてイイお話だなあと思いました。
      私の書いた上記エピソードにも同様のくだりがありますが、開店当初、若き日の岸本さんであればお子様同伴は店の雰囲気を変えてしまうとして認めなかったのではないでしょうか。
      しかし、10年の歳月を経て素の自分でいられる常連さん・お客さんに恵まれ、ある意味、対峙するような姿勢を取る必要もなくなり、自らも父親となられたことで心境に大きな変化があったのだと思います。
      これからの円熟期のBecが見たかったです。
      全力で駆け抜け早々60くらいで引退されて、余生は悠々自適に海岸で一日中海を見ながら読書に耽る岸本さんの姿を勝手に想像していたのに。
      本当に寂しくなりました。
      しかしこうして今、私が面識のなかったonihei様とBecバナシで盛り上がれるのは岸本さんのお蔭ですし、新たなご縁をつくってくれたのだと思います。
      我々はBecをよく知る者として、Becのことを知らない人たちにも岸本さんというオモロイ人がいたことを語り継いでいくことが供養になると信じます。
      また楽しいエピソードを共有いただけると嬉しいです。
      長くなりましたが、今後ともどうぞよろしくお願いいたします!

  2. 匿名 匿名

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