久々の投稿。
東京に住み、1年が過ぎた。
この間に色々と食べ歩きを重ねてきたが、最近はフレンチや懐石といった高級志向はすっかり影を潜め(たまに行く程度)、東京でしか経験できない味探しに勤しんでいる。
今回はその中で出会った「東京メシ」を一挙ご紹介したい。
まずはベタだが、蕎麦。
東京の蕎麦は関西に比べて蕎麦汁が黒くて辛いと言われてきたが、ここ20年で物流が発達し人的往来が盛んになったため、東西の味が均質化してきたように思える。
そんな流れに抗ってか、生粋の東京蕎麦を味わえたのが、南青山の「あおやま長寿庵渡邊」。
「おかめそば」をオーダー。南青山にあって大変良心的な価格だった。
温蕎麦はやはり真っ黒で辛い蕎麦汁だが、甘味も強かった。出汁とかえしのバランスが好み。玉子焼きや蒲鉾、椎茸、盛り沢山の具とともに一気に平らげた。
次は江戸前鮨。
江戸前鮨とは一般的に、煮たり焼いたり〆たりヅケたり…と、ネタに沢山の仕事を施すことが特徴だが、その教科書のような店に出会った。
それが神田の「神田笹鮨」。
1903(明治36)年に屋台の鮨屋として創業。今年で120年目という老舗ながら、大変リーズナブルに江戸前の仕事を堪能させてもらえる。
握りよりもちらしをオススメしたい。
〆た季節の魚にヅケたマグロ、焼き穴子、椎茸、錦糸玉子…実に丁寧な仕事で、見た目も宝石箱のように美しい。具それぞれの味わいのバリエーションが豊富で、食べ進めるのが実に愉しい。
続いては鰻といこう。
生身をタレに漬け直焼きする関西風に対し、一度蒸してから焼き上げるのが関東風。関東風が好みな私にとって東京在住は絶好のチャンスだが、最近とみに値段が上がっていてそうは頻繁に食べられない代物。
そんななか、抜群にリーズナブルな鰻にありつけるのが、両国の「千代福」。
ここで頂くのは、平日限定の「らんち重」。
鰻と言っても、鰻に焼鳥、玉子焼きが並べて盛られているのだが、これで1,300円は文句のつけようがないお得感。
それぞれをちょっとずつ交互に頂きながら愉しむのだが、まるで飽きが来ない。
最後はひと口鰻を残してパクリ、ご馳走様する。
そして最後は、深川めし。
東京でも深川(江東区)近辺でしかなかなか見ない東京メシ。
深川の漁師たちが仕事の合間に食べた、白米に味噌で煮込んだアサリとネギを豪快にぶっかけたまかないめしと、大工や職人たちがわっぱに入れ弁当として持ち運んだアサリの炊き込みご飯。このふたつがルーツだそう。
ふたつの食べ比べができるのが、清澄白河の「深川宿」。
写真はいわゆるぶっかけめしの方。
「辰巳好み」は2種のめしに野菜焚き合わせ、すまし汁、漬け物、デザートが付いてくる。腹いっぱいになること間違いなし。
45分制なので要注意。
森下の「割烹みや古」も風情があってイイ。
歌舞伎役者御用達の店のようで、店の造りも大変雰囲気がある。
こちらの深川めしは炊き込みご飯のみ。
アサリの土手焼きやドジョウのから揚げなど、サイドメニューにも東京ならではの一品あり。
以上、少しでも東京散策の足しになる情報があればこれ幸い。
他にもとんかつやカレーなど紹介したい東京メシは沢山あるが、今日は一旦ここまでとしたい。
東京メシ! これは参考になります、ヨイです。
東京に行った際に、ぜひ参考にさせてもらおうと思います。
いずれも風情のある店ですね。
当方からも、一軒オススメしておきます。
神田あたりは蕎麦も寿司も名店多いですが、
小津安二郎も愛したと聞く「笹巻けぬきすし総本店」です。
小さな店ですが、独特の雰囲気がありました(説明困難(笑))
また、よかったら是非!
ボッサ様
コメントありがとうございます!しばらくサイトを放置してしまっており、確認が遅くなりましたことお詫び申し上げます。
まだまだ情報を仕入れておりますので改めて共有させていただきますね。
「笹巻けぬきすし」は是非行ってみたいと思います。グルメ雑誌で拝読したことがありますが、写真からもこちらでしか味わえない雰囲気が伝わってきます(笑)。こちらもお邪魔したらご報告させていただきます!
お久しぶりです。いつも楽しく拝読させて頂いてます。私ごとですが、長年住んだ関西を年末に離れ、年明けから首都圏で勤務することになりました。新たな職場で心機一転も楽しみですが、新たな飲食店との出会いもとても楽しみです。行きつけのコートドールも先日訪問しましたが、やはり素晴らしかった。他の行きつけにも訪問機会が増えるのが嬉しいです。この記事、東京メシ参考になります。神田笹鮨はずっと訪問したいと思っていました。早速伺いたいと思います。引き続きよろしくお願い申し上げます。