続いては、未訪問だった名店を訪れることができたこと。
特に印象に残ったお店を紹介したい。
レフ・アオキ(東京・東銀座)

「銀座 鮨青木」の実姉がオーナーマダム、実弟がシェフを務めるフレンチレストラン。フランス・パリにて長年「レストラン・マコト・アオキ」を営んだ後、銀座に移転した、いわば逆輸入レストラン。
シェフ曰く、「そのような経験をした自分にしか出せないものを食べてもらいたい」とのことで、料理は本場のフレンチ然とした質実剛健さと日本人ならではの食材の活かし方が愉しめる。

ディナーは値が張るが、ランチは極めてお得な内容。
マルディ・グラ(東京・銀座)

言わずと知れた、和地徹シェフの骨太フレンチ。
余談だが、和地さんは淡路島出身とあって、旧居留地でアパレルブランドがプロデュースしたワインバー(閉店)や三ノ宮駅ビルのカフェレストランの料理監修をしており、兵庫と縁が深い。
そんな和地さんの総本山は華やかな銀座にあって、ややもすると見落としそうな路地の地下1階。
さまざまな肉を自在に操る名人とあって、メニューリストは選べないほどのバリエーション。
ステーキやハンバーグなど定番の料理からスパイス・穀類を用いた多国籍の風情漂う一皿まで愉しめる。

何度も通ってその奥深さを味わい尽くしたいレストランだ。
ポワン・ドゥ・デパー(東京・荻窪)

「アルページュ」や「ギィサボワ」、「トロワグロ」など本場の名だたるレストランで研鑽を積んだ薗部明宏さんがマダムと営むフレンチレストラン。
店は2000年、阿佐ヶ谷での開業を起点に、六本木、赤羽岩淵、そして現在の荻窪へと至る。
その間、大変な紆余曲折があったというが、薗部さんはほとんど語ることなく黙々と調理に専念。マダムはその苦労を微塵も感じさせない明るく爽やかな笑顔が印象的。
料理は事前予約制のコースとアラカルト、そして2軒目使いを想定したタパス(小皿料理)が揃っていて、ありがたい。
訪れた日はタパス盛り合わせからはじめ、アラカルトでそら豆のスープ、鮎のコンフィ、仔牛をオーダーした。

いずれも絵画的で美しく、丁寧で無駄がない、実に味わい深い料理だった。
サン・ヤコピーノ(東京・錦糸町)

フィレンツェ、マルケ州、エミリア=ロマーニャ州で計14年間修業した元吉賢一さんが営むイタリア料理店。
「ミシュランガイド東京」では、掲載軒数が少ない墨田区において長くビブグルマンを獲得した有名店でもある。
料理は、内臓や煮込みを中心とした骨太な力強い郷土料理が中心。

イタリアで出会ったというサービスの純子さんがセレクトしてくれる土着品種中心のクラシックなワインがよく合う。
再度山荘(神戸・神戸港地方)

神戸は諏訪山奥の登山道。旧・灯籠茶屋を越えたところに佇む山小屋風の店だ。
まちから程なくして山に入れる神戸ならではの地の利を活かし、気軽にハイキングがてらスペアリブやピザなど本格的な料理を頂くことができる。

再度の森を眼下に、森林浴をしながらの食事。味や技術云々ではない贅沢なひと時だった。
神戸に来たら一度は訪れてみる価値がある店だと思う。
ビストロWAKU(神戸・県庁前)

知る人ぞ知る店だろう。
シェフの山下和久さんは長く三ノ宮・東門街で欧風料理の店を営んできた。
深夜3時までの営業でアフターのママや料理人の胃袋を満たしてきたが、県庁前移転後はランチからファミリーが楽しめる店となった。
50年以上のキャリアで、手際良くお客のさまざまなオーダーに応えるようすはまさに名人。
古き良き日本の洋食・フレンチを味わうことができる。

なお店内では、ステーキやグリルチキン、サラダによく合う3種類のオリジナルソースを小売販売している。

