パリ市内を徘徊してみた。
2区のオペラ座付近からルーブル美術館を経由してシャンゼリゼ通りへ。
ミーハーに凱旋門を登ったあと、エッフェル塔まで足を伸ばす。
そのなかでも目についたのは、さすが美食の都・パリだけあって、実に飲食店が多いということだ。
どの店もテラス席が道路にそりだし、寒空のなかでもひしめき合いながら男女がカフェや食事を愉しんでいる。
店のファサードには「bistrot」や「brasserie」、「cafe」の文字が並んでいて、所狭しとギャルソンが忙しそうに動き回っている。
まだまだ日本には十分浸透してないスタイルだが、1995年に東京・原宿でオープンし一世を風靡した「オー・バカナル」がその雰囲気を忠実に再現しているように思う。
なるほど、原宿・表参道とシャンゼリゼ通りの雰囲気がよく似ていて、24年前の出店のコンセプトが何となく理解できたような気がした。
そして、その「オー・バカナル」の薫陶を受け渡仏も経験した神戸・ハンター坂「ブラッスリー・ロバボン」のギャルソン、小場佐慎也さんがよく使う「フランスのエスプリ」という言葉の意味もストンと腹に落ちた。
私もフランスのエスプリがもっと日本にも広がってほしいと思った。