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【神戸・三宮】歴史と伝統を守り続ける神戸最古のリストランテ、「リストランテ ドンナロイヤ」

なぜもっと早く訪れなかったのだろうかと大いに後悔させられる店がある。

「リストランテ ドンナロイヤ」(以下、ドンナロイヤ) 、神戸最古のイタリア料理店である。

1952(昭和27)年、イタリア人ジュセッペ・ドンナロイヤ氏が元町・旧居留地で創業したこの店は神戸のグルマンから高い評価を受け、大いに繁盛してきた。

1976(昭和51)年版「神戸味覚地図」より

数多くの著名人たちの舌も魅了し、かの美食家・北大路魯山人が来店したこともあったという。

やがて1995(平成7)年に発生した阪神淡路大震災で店舗が入るビルは倒壊。現在は加納町の山手幹線北側のビルの地下で営業を続けている。

地下へと続くエントランス

私が後悔する理由はズバリ、こんなにも素晴らしい①空間、②料理、③サービスを提供する店はそうはないと思うからだ。

今回はこの三点について詳しくご紹介し、この店で食事をすることの醍醐味を少しでも知っていただきたい。

まず、①空間について。

階段を降り扉を開けると、目の前には煌びやかなシャンデリアと真紅のテーブルクロスが美しい、いかにもリストランテ然とした瀟洒な空間が広がる。

美しいインテリア

地下階ということで外界と遮断された空間は非日常そのもの。古き良き時代の港町にタイムスリップしたような気分にさせてくれる。

60近い席数を誇るが、神戸でこれだけオオバコの本格的イタリアンは他に類を見ず、大変貴重だ。テーブルの間隔も十分に確保されていて、ゆったりと食事を愉しむことができる。

ドレスコードは特別設けられていないようだが、これだけの空間に短パン・サンダルでも乗り込める方がいたら、その勇気と鈍感力、別のシチュエーションに取っておこう。是非、最低限のスマートカジュアルを。

次に、②料理について。

昨今の、おそらく本場の人は食べたことがないであろう、凝ったアレンジを加えた複雑系創作イタリアンが世の中を席巻するなか、ここでは何十年、いや何百年と変わらない、伝統・基本に忠実なイタリアンを頂くことができる。

料理を作るのは、オーナーシェフの渡邊元則さん。御歳81歳の大重鎮だが、毎日厨房に立ち、前菜からメインまで調理を担当している。

渡邊元則さん

岡山県生まれの渡邊さんは進学を機に関西へ。大学時代はトロンボーン演奏に明け暮れる傍ら、テレビ局でアルバイトをこなす、当時としてはかなり進歩的な青年だった。

その後、ドンナロイヤに入店したが、1975(昭和50)年にジュセッペ氏が急逝。急遽、店の経営を引き継ぐことになったのだという。

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One Comment

  1. […] その前にドンナロイヤの予習だが、1952(昭和27)年にイタリア人のジュゼッペ・ドンナロイヤ氏が神戸元町・旧居留地で創業した神戸最古のイタリア料理店であり、現在はジュゼッペ氏の跡を継いだ2代目・渡邊元則さんが83歳にしていまだ現役で腕をふるっている(以前の記事はこちら)。 […]

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