次にプリモピアット。
「ブラウンマッシュルームとしいたけのタリオリーニ」。
こちらもビーツのサラダ同様、創業時からのメニューだが、今では全く新しい一皿に生まれ変わった。キノコの旨味がふんだんに封じ込められているが、以前よりも幾分軽やかな味わいになったような気がする。
「イカ墨リゾットのアランチーニ」。
いわゆるライスコロッケだが、アイオリソースとの相性が抜群。胃を温め食欲を掻き立てつつも、トマトソースでパンチを効かせ過ぎないところがプリモピアットとして素晴らしい。
「ウニのパスタ」。
花谷さんが自宅で試作してみて、これはイケると思い、メニュー化したという。しかし、 ウニにイカとツルムラサキを合わせるなんて、凡人には思いつかないわ。しっかりとイタリアンのテイストにまとめ上げられているのがこれまたスゴイ。
「丹波篠山産猪のパッパルデッレ 黒トリュフがけ」。
丹波篠山産の猪なんて、何と贅沢な。まさに冬の醍醐味を凝縮したかのような一皿だ。トランペット茸とともに煮込んだ猪肉に黒トリュフを加えて完成された重層的な美味しさに赤ワインがどんどん進む。
続いてセコンドピアット。
「ピエモンテ産仔牛のファッソーネ」。
最近、新たに導入したという焼き台でじっくり焼き上げられた仔牛は柔らかく、しっとり汗をかいたような仕上がり。塩コショウとオリーブオイルだけのシンプルな味付け、そして発酵イチジクの酸味が肉本来の旨味を惹き立てる。
「シャラン産鴨胸肉の炭火焼き」。
やはり焼き台の導入は大正解。しっかりと旨味が封じ込められている。当初は肉の完成度の高さから発酵レモンやチャツネは不要かと考えていたが、完食する頃にはかえってこの付け合わせがあったからこそ飽きずに爽やかな食後感が得られたのだと納得。
最後にドルチェ。
ハナタニはドルチェが垢抜けていてレベルが高いことも特長のひとつ。
ブラマンジェやクレマカタラーナなどの定番メニューが美味しいのはもちろんのことだが、個人的には次のような旬のフルーツを使ったメニューが好みだ。
「パッションフルーツのセミフレッド パイナップルとミントとのジュレ」。
フレッシュフルーツの酸味とミントの香りがまるで胃袋を浄化してくれるかのような爽やかさを演出している。〆には最高だ。
「白桃とチーズ」。
正直、これはドルチェではなく前菜として提供されていた一皿だが、桃の瑞々しさ、モッツァレラの円やかさにミントの爽やかさが加わり、抜群のバランスだった。同じ日に前菜とドルチェとして、二度オーダーしてしまった(笑)。