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【大阪・豊中】素材の持ち味が存分に活かされたイタリア料理、「ポルタブル」

大阪は豊中、稲荷神社前の閑静な住宅街のなかに隠れ家的なイタリア料理店がある。

豊中稲荷神社

オーナーシェフの福田直人さんが営む「ポルタブル」だ。

店はイタリアの旗が目印

以前から前を通るたびに気になっていたものの店舗が2階にあるため中のようすを窺い知ることができず躊躇していたが、意を決して初訪問したのが昨年5月のこと。

早い時間だったため先客はなく、ひとりカウンター席に座って福田さんと話していた際に私が神戸出身であることを伝えたところ、福田さんは以前、神戸・御影のウェディングレストラン「THE GARDEN PLACE SOSHUEN」で約10年もの間、総料理長を務めていたとのこと。

福田直人さん

偶然、私の友人がSOSHUENに勤めていることから話が盛り上がり(少なくとも私的には)、そこからさらに色々話すと、以前ご紹介した「炭焼&wine 9」の土井さんや「Craft」の丸山さんとも知り合いということが分かった。

何と世間は狭いことか…。

それ以来、さまざまなタイミングで利用させてもらっているのだが、ポルタブルの特長は、何と言っても素材の持ち味を存分に活かしたイタリア料理を頂くことができるということだ。

なかでも、とりわけクオリティが高いと思うのが野菜と魚介。

野菜は能勢近郊の農家から旬のものを厳選して仕入れている。

定番の「バーニャカウダ」はフレッシュな野菜本来の濃密な味と瑞々しさを味わうことができ、絶品だ。

ランチの前菜プレートに盛られたバーニャカウダ(左)

野菜のスープはビーツやトウモロコシ、カボチャなど、その季節で旬の野菜を用いて作られる。

夏に頂いたビーツのスープは見た目のインパクトもさることながら、前面に出るビーツ本来の自然な甘さに驚かされた。

ビーツのスープ

「ホワイトアスパラのグリル チーズマッシュポテトと焦がしバターソース」は個人的に一番お気に入りの一皿。

ホワイトアスパラのグリル チーズマッシュポテトと焦がしバターソース

甘くてジューシーなホワイトアスパラに香ばしいバターソースの組み合わせが白ワインを誘う。ドライトマトの酸味・甘味もイイ仕事をしている。

魚介は御年77歳、熊本・天草で現役の漁師として活躍する福田さんの父上から直送される鮮魚を店で熟成させてから調理する。

市場を介さないため、通常あり得ないリーズナブルな価格で頂くことができるから大変ありがたい。

私がパスタで毎回オーダーしてしまうのが、「マテ貝とカラスミのオイルソースパスタ」。

マテ貝とカラスミのオイルソースパスタ

カラスミのオイルソースパスタは他店にもよくあるメニューだが、そこにマテ貝なんて…思い付かないわ。マテ貝は身が締まっていて旨味十分、カラスミの旨味がイイ具合に脇役に回る。旨味と旨味を合わせて上手く纏め上げるところに福田さんの技術の高さを感じる。

メインの魚料理はカサゴやクロダイ、アコウなどを1匹丸ごと藁焼きやアクアパッツァでシンプルに頂く。

藁焼きは外が香ばしく、中はしっとりと焼き上げられていて理想的な状態。魚本来の持ち味を損なわないため、余計な調味料を使わず、塩胡椒とオリーブオイル、藁の香ばしい風味だけで仕上げた逸品だ。

カサゴの藁焼き

アクアパッツァは魚介と旬の野菜が一度に堪能できる贅沢な一皿。新鮮な魚、貝、野菜から煮出されたスープが良質なオリーブオイルと相まって濃密な味わいを生み出す。これまた白ワインを呑まずにはいられない。

カサゴのアクアパッツァ

良い素材を選び抜き、その持ち味が存分に発揮されることに重きを置く福田さんの料理。是非一度、皆さんにも味わってもらいたい。

ちなみに福田さんの料理は今週3月14日(土)に開催される「カフェ・アストーレ」との共同イベント「Aperitivo(アペリティーヴォ)」でも味わうことができる。

「Aperitivo」のフライヤー

アストーレの岡本さんが作るドリンクに合わせて、福田さんが15種類ほどのフィンガーフードを提供するという。何だか楽しそうだ。

場所はアストーレにて17:00から21:00まで。ご興味がある方は是非。

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