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東京・高円寺というまち(1)

最近はろくに外食もせず家に籠っていることが多いのだが、部屋の片付けをしていて、昔の日記が出てきた。

14年程前から不定期に気になったことをノートに書き留めているだが、今ページを開いてパラパラめくってみたら、東京・高円寺のことを2009年と2018年の2回にわたって書いていた。

このブログでは以前から神戸の飲食店を紹介するにあたり、神戸のまちについても詳しく書いてきた。

いずれは東京の店についても書いていく予定なので、今日はこの機会に私が好きな中央線沿線の一エリア、高円寺について書いてみたい。

とは言っても、内容は過去2回の日記の転載だが、長い年月を経て、高円寺というまちの雰囲気・変遷等を分かっていただけると思うので、一読いただければと思う。

JR中央線の車窓から。高円寺駅から中野駅へ向かう際、新宿高層ビル群をのぞむ

今回は最初の日記(2009年3月)を紹介したい(表現は適宜修正)。

実際の日記。高円寺方面から眺めた新宿高層ビル群のイメージ画が。私にとって新宿の大都会はヒトが造り上げた悪魔城のような位置だった

高円寺を初めて訪れたのは2004年の夏。デートで蕎麦を食べ、古着屋を廻り、コーヒーを飲んだだけだったが、私にとって忘れがたい体験となった。

2005年撮影。JR駅南側のルック商店街

バンドマンや娼婦と思しき女性が行き交う駅前の商店街、自転車から降りたオバサンが若者たちと一緒に古着屋のTシャツを物色する光景、¥400も出せばハンバーグ、エビフライ、サラダにごはん、味噌汁が付いてくる定食屋…全てが想像していた東京の姿とは大きくかけ離れていた。

今、私は浦安に住んでいるが、週に1回はわざわざ遠回りをして代官山かこの高円寺に立ち寄っている。

ここで感じられる神戸にはない生命力、また、東京が忘れかけている人の温かみが何とも心地良いからだ。改めて思い返すと、5年という歳月を経て随分ようすも変わってきたが、このノスタルジックな雰囲気にどっぷり浸かることで私は英気を養うことができるのである。

いくつか好きなお店についてメモを残しておく。

「NEW BURG(ニューバーグ)」(ハンバーグ専門店)

2017年撮影

¥400でハンバーグ、ライス、味噌汁が食べられる。さらに¥200多く出せばこれにエビフライ、ウインナー、チキンピカタが付いてくるという、考えられないコストパフォーマンス。席はカウンター10席ほどで狭小、夕食どきにはサラリーマンや学生で満席状態に。デートには???のお店だが、ふらり独りで安く済ませたいと思ったら真っ先にココをお勧めする。

「HERE WE ARE marble」(カフェ、すでに閉店)

ヴァイス(株)ホームページより

新高円寺方面に徒歩で約10分、高円寺らしからぬおしゃれな佇まいのイマドキカフェ…と思いきや、常連さんには近所のおばちゃんも沢山という地元密着型の店だ。高円寺にしては少々お高い値段設定だが、アラカルトの豊富さには脱帽。特にトマトのガーリックライスが美味かった。カワイイ店員さんの接客もよく、ついつい訪れてしまう。

「七ツ森」(カフェ)

2014年撮影

宮沢賢治の小説の世界をモチーフにしたという店内は非常に非常にレトロな雰囲気が漂う。私は頂いたことがないが、カレーが美味しいらしい。デザートにも力を入れており、ゼリーは季節ごとに変わる。ご縁に感謝ということで、お会計時に必ずリボンを結んだ5円玉がもらえる、何かほっこりするカフェ。

「PLANET 3rd」(カフェ、すでに閉店)

運営会社カフェ・カンパニー(株)のホームページより

2002年オープン。広い店内でゆったりとしたソファに腰掛けインターネットが自由に使える、寛ぐにはもってこいの空間。なんでも古い米蔵を改装してできた店らしく、食事、お茶、バーとお客の用途に合わせて、店内を3つのゾーンに分けるというアイデアはとてもイイ。

運営会社カフェ・カンパニー(株)のホームページより

大変お気に入りの店だったが、2回目に訪れた2007年12月中旬、店員さんから「店舗老朽化により、来年1月15日をもって一旦閉店します」と告げられ、なぜもっと早く訪れなかったのかと随分後悔した。店員さんによると、また再開する可能性もあるとのことだったが、こういうケースで再開した例はあまり見たことがなく、残念だがあまり期待はしていない。丸の内と大阪・心斎橋にも店があるが、まるで雰囲気が違う。ああ、またイイ店がひとつ消えてしまった。リピーターとしての想い出だけでもつくりたかったな。

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