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東京・高円寺というまち(2)

前回に続き、東京・高円寺のことを過去の日記からご紹介したい。

以下、2018年6月の日記の全文である。

前にも高円寺のことを書いたが、あれから私自身大きく環境が変わった。

過去の教訓から新浦安や豊洲のような新興住宅地は避けたくて、家を自己手配し、ここは大好きな中央線を…と、しかし大好きな高円寺に住めば仕事が手に付かない…などと色々考えた結果、東中野に落ち着くことになった。

東中野と言えど住所は新宿区北新宿、以前はあれだけ異様に感じていた新宿悪魔城高層ビル群の一味となってしまったのである。

1年近くが経ち自転車を購入、ビル群にも高円寺にもすぐに行くことができるようになったが、意外にもビル群に行くことに楽しくワクワクさせられる。

征服者のように見えていた都庁やパークハイアットだが、下にはホームレスたちを優しく抱擁するガード下や緑の樹々が心地良く、まるで生態系を維持する大都市版鎮守の森のように思えてきたのである。

私もそこに集まる小鳥か虫といったところか、何せ以前のような抵抗感は払拭できてしまった。

一方で高円寺だが、足を運ぶ頻度は依然としてビル群よりは多いものの、地盤沈下(魅力低下)の感は否めない。うーむ、やはり時代なのか個性が失われつつある。個性的な店はあるが、それらのほとんどは根底に流行り・スタンダードがしっかりと鎮座してしまっている。以前はそういう標準装備だけでは生き残ることができなかったこのまちが逆に標準装備でないと生き残れない環境になって来たことに寂しさを覚えてしまう。

そういう意味では、この変容の渦中にあっても、力強く生き抜いてきた「アニマル洋子」や「ニューバーグ」、「R座読書館」、「七つ森」、「天王」などの個性派は称賛に値する。

ニューウェーブとして、とことん和を貫く万紀さんの「山桜桃屋」や異彩を放つレディース古着屋「光」、コシと風味が強い武蔵野うどん「とこ井」など注目すべき店が生まれていることも事実。

これからの展開に大いに期待する。「まちは生きもの」、生かすも殺すもそこに住む人、商う人、集まる人にかかっているのだ。主役は我々であることを肝に銘じたい。

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