東京は広尾。
この辺りは都内有数の高級住宅街であると同時に、大使館が密集するエリアであり、行き交う外国人の姿や街並みの端々に異国情緒が感じられる。
飲食店も数多くあり、ジャンルを問わずレベルの高い有名高級店が軒を連ねている。そんななかで、比較的リーズナブルにジビエを堪能できるフレンチがあるので紹介したい。
「レストラン マノワ」(以下、マノワ)、ミシュランガイド東京では一つ星の常連店である。
もともとは北海道のレストランホテル「ヘイゼルグラウスマナー」の姉妹店「ブラッスリー マノワ」として2006年にオープン。2011年に現在のオーナーソムリエが店を引き継ぎ、現店名で再オープンさせた。
オーナーソムリエはジビエへのこだわりが強く、自らも狩猟免許を取得し、ハンティングへ出向く。ここでは寒い季節しかお目にかかれないと思われがちなジビエを年中頂くことができるのだ。
今回は春のランチのレビューをしたいが、写真の料理は先代のシェフによるもの。あしからず。
まずは泡からスタート。
続いて前菜は日本鹿の熟成テリーヌ。
山梨県は芦安の春野菜があしらわれている。正直、この盛り付けは個人的に好みではないが、味はスゴく良かった。
ワインは2000年のBourgogne Mercureyの白。
付け合わせのパン。
メインの魚料理。失念したが、確かマダイだったかと。
クリーミーなソースが控え目にあしらわれていた。ジビエの間の小休止的な位置付けで良かった。
メインの肉料理の前に赤を…と、ありがたいことにたくさん並べてくださいました。
迷った末、2005年のLe Haut Médoc de Labégorceの赤をお願いした。
肉料理は勿論ジビエ。ウズラのローストやイノシシのワイン煮込みなどの魅力的なラインナップから、追加料金800円でアナグマ(鹿児島県産)のルーローロティをセレクト。
南国のジビエ、しかもアナグマなんて意表を突かれた。初めて頂いたが、脂が乗っていて臭みは全くなし。丁寧な下処理のあとが窺えた。また、付け合わせが有機ニンジンという意外性にも驚いた。甘く濃い味わいがアナグマによく馴染むこと。
デセールはイチゴ、ピスタチオ、ヴァローナチョコレートの球体。
抜群でした。ラズベリーも入っていて、濃厚かつ清涼感があってジビエ料理の素晴らしい締めくくり。
ジビエを食べたことはないけど、興味がある…そんな方が行かれるにはうってつけの店だと思う。豊富なラインナップとオーナーソムリエの温かい接客サービスで、マイベストなジビエを気兼ねなく堪能することができるだろう。
なお、現在もランチ・ディナーともに時間を短縮して営業中。オンラインショップならびにテイクアウトでジビエのソーセージやテリーヌ、ワインを購入することもできるとのこと。
早くまた訪れたいと思う。