さて、そんなテラサナの料理をひと言で表現すると、「多国籍ビストロ料理」とでも言おうか。
きちんとフレンチの基本は押さえつつも、素材の組み合わせやスパイスの使い方に色んな国のエッセンスが散りばめられていて、常に驚きがある。
例えば、「クリームチーズの西京味噌漬け」や「パクチーとスパイシーチキン」、「タコと空芯菜のソテー」なんていうのがその好例。
隆弘さんのソムリエ・シェフ経歴、日々の研鑽や趣味の海外旅行等、様々な経験が血肉となってボーダーレスなアレンジを生み出し、最終的にワインとの見事なマリアージュに帰結しているのだと思う。
ではここで私のお気に入りを中心にテラサナの料理を紹介したい。
まずは「トマトの玉ねぎドレッシング」。
年中愉しめる定番のスターター。まずは胃袋を浄化させるようなサッパリ爽やかな味わいで、ここは冷たい白ワインを合わせたい。
「水ナスのサラダ」。
こちらは夏の定番。フレッシュな水ナスをバルサミコ、オリーブオイルと塩胡椒でシンプルに頂く。
ゴロゴロと大ぶりに切られた水ナスは甘く瑞々しく、まるでフルーツ。
ひときわ暑い時期はトマト、水ナスと2皿連続で涼を取ってもよし。
「エビパン」。
こちらもオープン当初からの定番。エビのすり身をバゲットにのせ、オーロラソースを塗って焼き上げたアイデア料理。エビの旨味とソースの甘酸っぱさ、バゲットの香ばしさがこれまた白ワインをいざなう。愉しい。