お昼をとったのは参道が始まってすぐのところにあった和食店、「継ぐ味」。
以前、この店の女性店主が家庭科の教師から転身し、調理師学校卒業後にNHK朝ドラ「ごちそうさん」の料理監修をつとめた料理研究家のもとで修業したという記事を雑誌で読み、ブックマークしていたのだった。
店内はカウンター席とテーブル席からなり、明るくてゆったり広い。席間も十分な間隔が取られており、このご時世、安心して食事ができる。
今、ランチは2,750円のコース料理のみだという。
待つこと10分、運ばれてきた最初の料理は鶏団子に刻んだ人参をあしらったもの。
優しい味付けの粗い肉団子に人参本来の甘味と青臭さがよくマッチしている。
脇役のキヌサヤもまた甘くてイイ。
魚料理は鰆の西京焼き。
ウマイ。新鮮な鰆はふっくら柔らかく焼き上げられている。西京味噌と菜の花、柑橘の相性も目から鱗だった。
肉料理は豚バラ肉で水菜を巻いて揚げたもの。
チリソースに似た、エスニックの要素を感じさせるタレにつけて頂く。
シャキシャキ瑞々しい水菜がヘルシーで素晴らしいアクセントに。巻いて揚げたがゆえの味の一体感や歯応え。この調理法は大正解。
付け合わせのサツマイモも甘く柔らかく揚がっていて、味わい深かった。
ご飯モノは何とお粥。フキが入っていた。
中華粥の旨さに心酔して以来、最近は敬遠してきた水だけの粥。出汁がないからこそ、野趣溢れるフキの風味を満喫できる。サクサクした歯応えもどこか懐かしかった。
ラストは甘味のシフォンケーキ。
デコポンが使われていて爽やかな後味に最後まで春を満喫させてもらえた。
総じて、季節感が随所に感じられ丁寧な仕事のあとがうかがわれる心のこもった料理の数々だった。
ご馳走様でした。
春の陽気が清々しい今日この頃。荒神さんの境内は近く桜満開になることだろう。
また近々訪れてみることにしよう。