前回最後の東京でも訪れた「スクレ・サレ」(以前の投稿はコチラ)。
2019年以来、ミシュランガイドでビブグルマンを獲得し続けているビストロだ。
入店すると、中西シェフと菜摘子さんが笑顔で出迎えてくれた。
「久しぶり!」
「老けたでしょ?」
「そんなことないよ、相変わらずじゃん」
そんな他愛もない会話に幸せを噛みしめる。
2年ぶりのスクレ・サレはコロナ感染対策もバッチリ。
最初はアミューズと泡で。
懐かしい。
悩みに悩んで最初の一皿を決める。
結果、慣れ親しんだ「サーモンと帆立貝のタルタル」を選択。
「大体これかサーモンマリネだよね」
2年経ってもオーダー傾向まで覚えてもらえていることに改めて感激。
白ワイン、入りまーす。
「80日も家にいて腕が鈍ってはいけないと毎日料理を作っていた」という中西さん。
2年も間隔が開いて頂いたからこそ分かるが、全く腕は鈍っていない。かと言ってクオリティが上がっているワケでもない。
これでいいんです。惚れ込んだ味に再び出会えることこそ、むしろ幸せなんです。
メインの前にワインがなくなり、次は肉料理を想定して赤に切り替え。
メイン、どうしよう。
ここからまた数分悩んだが、メニューから実はまだ未経験の一皿があることに気付く。
「コレ食べたことなかったっけ?美味しいよ」
はい、喜んで。オーダーすると愉し気に調理をスタートする中西さん。この表情がステキです。
はい、出ました。「牛レバーのロースト」。
壮観ですね。これぞビストロ料理という一皿。
ボリューミーだが、レバーは新鮮そのもので案外アッサリ。
脇役の獅子唐とエリンギ茸の歯応えが愉しく、イイ仕事をしている。
ケッパー・マスタードの酸味とニンニクの香味をまとったソースに酒が進む。
もう一杯だけ赤、お願いします。
〆はコーヒー。ご馳走様でした。
わずか2時間半の滞在で頂いた料理は2皿だった。
しかし、2年ぶりのスクレ・サレは以前と全く変わっていないことを実感できた。
コロナ禍を経て、自分が羽を休められる場所が残ってくれていること。
本当に幸せで感謝しかない。
スクレ・サレ、そしてその他愛すべきお店すべてが末永く、私の心の拠り所でいてくれることを願って止まない。
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