以前の投稿にも書いたが、長きにわたって神戸のグルマンたちを唸らせてきた「Le Passage」(以下、「ル・パッサージュ」)が復活することを知ったのは昨年暮れのこと。
年が明けてすぐに訪問する機会があったのだが、なかなかその時のレポートをできずにいた。ここで記しておきたい。
もう一度、簡単に店のプロフィールをおさらいしたい。
ル・パッサージュは1994年、フランス・リヨンの名店で修業を積んだ春名公章さんが弱冠29歳で開店したフレンチレストラン。
最初の店は現在、「料理屋植むら」や「すし山﨑」が入る北野坂のペンシルビルの2階にあった。
カサブランカが活けられたカウンターから本格フレンチを供する独特のスタイルは春名さん曰く「賛否両論だった」というが、料理の腕がすぐさま評判を呼び、一気に人気店へと駆け上がった。
その後は同じフロアにビストロ「ラトリエ・ル・パッサージュ」を併設し店舗を拡大。そして2006年、満を持して程近いDemainビルの最上階へと移転した。
店はオオバコでテーブル席がメインとなったが、カサブランカは健在。ペントハウスの天井から陽光が射し込み、ゆったりと食事を愉しむことができるまさにレストランの理想形・完成形のような店だった。
しかし2019年1月に惜しまれつつも閉店。当時は神戸の有名老舗フレンチが相次ぎ閉店・県外移転した時期でもあり、神戸のフレンチはどうなってしまうのかとつくづく嘆いたものだ。