続いて、イートインメニュー。
「キッシュ・ロレーヌ」。
こちらは普段ショーケースに並ぶものだが、タイミングよく焼き上がったばかりだったのでそのまま皿にもらってしまった。
吉川さんのキッシュ・ロレーヌは長きにわたり頂いているがまさに絶品。ふんわり卵の濃厚な味わいが病みつきになる。是非一度は食してもらいたい。
「本日のサラダ」。
すごいボリュームに思わず声をあげてしまった。
新鮮な野菜に余計な味付けは不要。生ハムの塩味と最小限の味付けで仕上げてある。
やはりワインが進むのだ。
メインの「和牛ホホ肉の赤ワイン煮」。
ビストロの醍醐味が味わえる定番。ガルニのズッキーニとサマートリュフが心憎い。
しっとりほろほろとほぐれるホホ肉の上品な味わいが素晴らしかった。こちらもよく頂いている一品だが、段々と収斂されてきている。
久しぶりに吉川さんの料理を堪能したが、より一層深みと安定感が増した印象がある。
実は数年前にも独立を考えていた吉川さん。しかし一旦踏みとどまり、あえて十分な準備期間を設ける選択をした。おかげでそのあいだに多くの料理人や生産者と出会い、技術を高め信頼関係を築くことができた。
今の吉川さんの料理は、そういった人々への感謝や食材に対するリスペクトを垣間見れる、心温かいものになったと感じた。
吉川さんの色んな想いが詰まったパスパートゥ。是非、足を運んでもらいたい。