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12年目もフランスのエスプリ伝導にまい進、「ブラッスリー・ロバボン」

あと、最近大きく変わったことがふたつある。

ひとつは客層の構成。

これまでは私よりも年上の、大体40代後半から50代にかけてのオトナ常連が多かった印象だが、ここ1,2年で一気に若い女性が増えた。

ハンター坂とフランスの街角から切り取られたかのような外観を彼女たちは「映えスポット」として見逃さなかった。そして、料理も「桃とブッラータ」というキャッチ―なメニューがスマッシュヒット。SNSで大バズりした。

今はジュースとブッラータで自分たちだけの世界に浸っている女子たちが、いつしか偶然居合わせたオジサマ・オバサマとも愉しみを分かち合い、夜な夜なひとりで坂を登ってくるようになることを期待したい。

もうひとつ変わったのは、新しいスタッフ・咲月さんの加入だ。

昨年10月頃からカウンターに立ち料理と接客を担当する咲月さんだが、すぐに店の雰囲気に溶け込み、小場佐さんにはない柔らかい空気感で一見客の緊張を解きほぐしてくれている。

山や植物を愛する彼女の影響か、入り口の小さな花卉コーナーも瑞々しく生まれ変わっている。

植物には人の心を穏やかにする働きがあるというが、小場佐さんも以前よりいくぶん柔和な表情を見せることが多くなった気がする。

気のせいかもしれないが。

とにもかくにも彼女の加入により、移転4年目にしてまた新しい一面が垣間見えるロバボンがある。

徒然なるままにその後のロバボンについて記したが、思えば小場佐さんと知り合って今年で早10年。岸本さん亡きあと、神戸で最も長い付き合いの飲食店店主のひとりである。

彼とはキャラクターも歩んできた道のりも全く異なるが、大方の馬鹿話にまぎれて時には真面目なことも語り合い色々と刺激をもらってきた。

特に彼の行動力、プロデュース力にはいつも感心させられるし、彼のように神戸の立ち位置を冷静に大局的に俯瞰できている店主もそうはいないと思う。

お互いイイ歳になってきたし、これからも程々に馬鹿をしつつ色々と語り合えればこれ幸い。

どうか12年目も健やかに、フランスのエスプリ伝道師としてまい進してもらいたい。

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