この日訪れたのは、「宮崎酒飯」。
福岡・中洲で長く修業を積んだ宮崎大輔さんが営む日本料理店だ。
初めて訪れる店だが、そんな気はしなかった。
なぜなら予約時の電話から話し込んでしまったから。
営業終了の0:00頃を狙って入電。
「東京からうかがうのですが、大型台風の影響が出ると日時変更させていただくかもしれません」
「なぜわざわざ佐世保へ。なぜ当店を選んでくださったのでしょうか」
そんな感じで30分ほど話し込んでしまったのだが、店は地の魚を売りにしていて入荷するネタは当日の天候次第、その日あるもので愉しませると語ってくれたのだった。
まずはビールで喉を潤す。
昼間の疲れが一気に吹き飛ぶ爽快さ。
はい、整いました。
一皿目はまるで佐世保の夏の涼を体現したかのような前菜。
イクラにトマトや夏みかん、大根おろしが合わせられ、非常に爽やかな味わい。
これは期待が膨らむ。
続いて、子持ち鮎。
甘露煮に仕上げてあり、山椒が効いていてイイ。
これはお酒が進みます。
蟹のジュレ。
ウミブドウが何とも南国らしい。
そして下にはキュウリ、ミョウガ、ジュンサイ。酸味の効いたジュレが全体をきちんとまとめているし、何より食感が愉しい。
鯵。
こんがり焼かれた金目鯛の香ばしさが出汁に染み出し、何とも味わい深い。
実はこれが最も印象に残っている。
言わずもがな、抜群に新鮮。
そしてシソとアオサが見事なアクセント。爽やかでいて旨味が十分にあって、味わったことがない一皿だった。
鯖。
これまた抜群に新鮮。東京でこんな鯖に出会ったことがあるだろうか。思わず思い返してしまう。
胡麻風味のタレがよく馴染み、次第に爽やか系から旨み系へと。
呑むペースが上がります。
金目鯛。
冬瓜と合わせて椀物に仕立ててある。
このタイミングで温かいのが出てくると、再び整うなぁ。
やはりお酒を頂きます。
トウモロコシの春巻き。
ひと口食べて笑みがこぼれた。実に甘くて香ばしい。
大地の恵みがこの一包みに集約されていると言っても過言でない。
佐世保に来て良かったな。
真魚鰹。
焼き物で、横に添えられている畳鰯が面白い。
紫芋と下に敷かれた緑のソース(失念)の彩りも美しい。
鴨の治部煮。
初めての肉料理。これも良かったなぁ。
出汁はサラリ、たっぷりの青葱が添えられているのでクドくないんです。
そして、〆の一皿はトウモロコシご飯。
追いトウモロコシに歓喜。ふくよかな甘味が米に染み渡り、食感も愉しかった。
ご馳走様でした。
これはゴマサバではないでしょうか?
なんといっても九州では名物ですよね。私も小倉や博多で食べた鯖は美味でした。
関西では鯖は酢で締めたキズシが名物ですが、地方に行って違う食べ方を知ると、
新たな発見がありますよね。
それに中規模程度(言い方は適切かわかりませんが)の街の居酒屋って結構いいとこ
あるんですよね。
調理も接客も適度に余裕があるというか…
楽しみです。
コメントを頂戴し、誠にありがとうございます!
店主は長く中洲で修業された方ですので、まさにゴマ鯖かと存じます。
関西のキズシも好きですが、九州で頂く鯖は一際新鮮で美味だと感じます。
旅は新たな発見に目から鱗の連続で、酒場の料理・雰囲気・接客、いずれも三者三様で楽しいですよね。
通過しかしたことがない小倉の酒場にも是非お邪魔したいと思っています。