昨日はコロナ騒動以降では初めての会食だった。
例のグルメなパイセン女子が部署異動でしばらくはお目にかかれなさそうなので、もうひとりいるグルメなパイセン女子と3人でハーレム送別会をすることにした。
そんなハレの日のディナーに相応しいとセレクトした店が芦屋にある「芦屋・次郎」というフレンチだ。
オーナーシェフの小久江次郎さんは御年72歳の伝説的料理人である。
静岡県に生まれ、そのキャリアは意外にも東京・神田のロシア料理店「バラライカ」から始まった。その後、フランスでの修業を経て大阪ロイヤルホテルに勤務。1981年には神戸ポートピアホテルに入社し、ホテル開業の目玉として誘致されたフランス・ミオネの三つ星フレンチ「アラン・シャペル」の神戸店を任されることに。
シャペル氏の急逝後は料理長を歴任。
1998年にはフジテレビの人気番組「料理の鉄人」にも出演。私はそれを見て小久江さんのことを知ることになったわけだ。
1998年12月25日放送フジテレビ「料理の鉄人」七面鳥対決(英語バージョン)
そして2012年、「アラン・シャペル」の閉店を機に小久江さんは活動の拠点を東京へ移し、代官山「ラ・ジュネス」の総料理長として腕を振るった。
そんな小久江さんが昨年、再び関西に舞い戻り自分の城を築いたと聞き、うかがわないわけにはいかないと訪問の機会を探っていたのである。
そして昨日。ハレの日のはずが一日中ものすごい雨で、JR芦屋駅から程近い立地ではあるものの辿り着くまでにひと苦労した。
しかし、ようやく潜ったエントランスでまたついつい足が止まってしまった。
シェフの料理人人生を写真や賞状で振り返る小久江ギャラリーが設置されていたのだ。
歴史と想いが詰まった長い漆黒の細道は我々の期待を昂ぶらせた。
階段で2階に上がると、そこには木目調の温かな空間が広がっていた。
店はカウンター席と個室から成り、本来ならカウンター席が私にとっての特等席なのだが、今回はしばしの別れをゆっくり惜しみたく、個室を利用させてもらった。
席に着くと、品の良いテーブルセッティングにシェフ手書きのメニュー。
箸も用意されていて、壁には日本画の石榴の絵。
こういうさり気ない和洋折衷は大変好みだ。
マスクを外し(笑)、早速カンパイのアワをお願いして汗を拭っていると、アミューズが。
エスカベッシュ。
夏はやっぱりコレに限る。清涼感のある酸味がよーくアワに合う。
2皿目のアミューズは、シャリュキュトリーの盛り合わせとでも言おうか。
自家製のハムに鴨ロース、イタリア産のサラミ。自家製のハムは茶美豚を使用。香ばしく焼き上げられ、ジュレをまとった温かいハムに新鮮な感覚をおぼえた。
さて、ここからがコースのスタート。何だか楽しくなってきた。
(後編に続く)
アラン・シャペル!なんと、懐かしい~
あの頃の神戸、そしてポーアイの華やかだった頃、
ワールドビルの最上階にはV&Vがあり、ノエビアビルの
地下にはロス・アヴリガドスが。勿論アイランドカフェも
あり、どれだけ通ったことか。その中でもアラン・シャペル
は最高に華やかで素敵で…、海の見える景色も抜群で夢の
時間をいただきました。
芦屋の「次郎」、ぜひ言ってみたいと思います。
また新たな挑戦をされてるなんて素敵ではないですか。
ところで…、「もん」良かったでしょう(笑)。
記事を見ると一階に行かれた感じですね。次回は
ぜひ二階もおススメします。一見の価値アリです(笑)。
ボッサ様
コメントを頂戴し、誠にありがとうございます。
まずはもんを教えてくださり、ありがとうございました!素晴らしかったです。今まで訪問したことなかったことを恥じました。1階のカウンター席ですでにノックアウトされていますが、2階も必見とのこと。次回は是非、チャレンジしてみたいと思います。
「アラン・シャペル」全盛の時代の神戸、体験してみたかったです。「ヴィアンヴィ」や「ロス・アヴリガドス」、いずれも雑誌や口承での知識しかないのですが、古き良き神戸の香りを感じさせる響きのお店ですよね。ボッサ様はバブル真っ只中の神戸を満喫されていたのですね、羨ましい…!行ってみたかったです。
私は小学校の卒業式のあと、同級生とその両親である歯科医夫婦に連れられてポートピアホテルの聚景園のディナーをご馳走になりました。初めて華やかな神戸に触れた瞬間でした。バブルの末期、1993年のことで、当時はチャゲアスのYa-Ya-yahが流行っていたことを思い出します。
芦屋・次郎、素晴らしい名店だと思いました。レジェンド小久江氏の細やかな、グランメゾンでは味わえないホスピタリティを満喫させてもらいました。シャペル氏の薫陶を受けた料理は素晴らしく、夜は10,000円から、昼は5,000円からのお任せコースになります。是非、一度訪れていただきたいと思います。
[…] ※前回の記事はコチラとコチラ。 […]
[…] ※前回の記事はこちらとこちら。 […]
[…] ※前回の記事はこちらとこちら。 […]