2024年最後の投稿。
今年も沢山の店にうかがい、愉しませてもらった。
なかでも印象に残った店をご紹介したい。
コード・ドール(東京・三田)
言わずと知れた大名店。
斉須政雄シェフはTBSドラマ「グランメゾン東京」の主人公のモデルにもなったと言われるレジェンド料理人。
その気になればいつでも予約できたのだが、自分の経験値が追いついていないと躊躇していた。
ようやく訪れる決心が着き、頂いた料理は一皿一皿が感動の連続。
いずれも美しく味わい深く、計算し尽くされたルセット。
的確なワインのサジェスト、痒いところに手が届くサービス、素晴らしい内装…レストランかくあるべきというお手本を見せていただいた。
しかし、決心が遅過ぎた。
来年2月で閉店とのことで、すでに予約は満席。
もう一度訪れたかった。
タコスバー(東京・恵比寿)
メキシコの外交官だったマルコ・ガルシアシェフが江戸前鮨にインスパイアされて作り出す独自のタコスワールド。
写真は琵琶湖産モロコにトウガラシを合わせたタコス。
ワインは日本産のナチュールを合わせる。
タコスの美味しさと楽しさを教えてもらった。
ふじ芳(東京・両国)
通年でうずら鍋を供している割烹。
骨まで砕いたつみれは絶品だった。
うずら鍋は単品でも注文できるが、コースに含めても5,000円以内というリーズナブルさはこのご時世ありがたい。
エグレット(姫路)
浅見義人シェフは大阪・福島の名店「アドック」出身。
新鮮な山海の幸を多国籍なアプローチからフレンチに仕上げる。
改めて兵庫が食材の宝庫であることを気付かせてくれた。
アンティーク調の内装・調度品も素晴らしい。
本牧亭。(東京・長原)
今年のマイベストオブ焼肉。
「スタミナ苑」以来の感動がここにあった。
とりわけタンとホルモンの新鮮さに感動した。
肉はもちろんのこと、有機野菜にこだわりサラダまで大満足。
彦六鮓(神戸・六甲)
新鮮な魚介をリーズナブルに愉しむことができる老舗鮨店。
訪れた日は女将が握り、息子さんが巻きを担当していた。
一貫一貫が小さくて美しく、シャリは人肌の温かさ。
日本酒がよく進んだ。
en(東京・高円寺)
店主は元美容師という変わり種。
西荻窪の名店「食べごと屋のらぼう」等で修業を積んで、今春に独立した。
のらぼう仕込みの綺麗な居酒屋料理を日本ワインとともに供する。
内装や食器のセンスの良さも特筆すべき点。
ドゥイエ(東京・西荻窪)
西荻窪の人気イタリアン「チクロ」の姉妹店。
しっかりクラシカルだが、バター控えめの軽さが特長。
ワインがナチュールであることにも納得。
アンティークの調度品でかためた内装は雰囲気が良く、若いカップルで賑わっていた。
肴・和洋酒マツケン(大阪・野田)
今年最も衝撃的だったかもしれない店。
ご主人が料理、奥様がソムリエを担当。
ワイン、日本酒、ビール、何でも合わせられるコース料理は圧巻の一言。
一皿のポーションは小さいが、どれも個性が際立っている。
一つのコースでパンと白米が出てきたのは人生初の経験。
ペルシエ(神戸・三ノ宮)
伝説のレストラン「ジャンムーラン」出身のベテランシェフが御影から店舗を移転、席数を減らしてカウンターフレンチへと生まれ変わった。
一皿一皿丁寧に作られた料理は確かな技術で食材の持ち味が最大限に引き出されている。
くずし割烹よばなし(東京・西荻窪)
西荻窪のイタリアン「ダリオ」の姉妹店の居酒屋。
野菜やフルーツの使い方が絶妙で、ナチュールと合わせている点も特長的。
ヘルシーでいて高い技術が垣間見られることから、中高年の客層が多いことにも合点がいく。
酒scene〼福(東京・大門)
フレンチと日本酒を合わせることに特化した珍しい店。
ゴエ・ミヨにも掲載されている。
マルセイユの三つ星レストランで修業を積んだシェフの料理は一皿一皿に緩急があり、マダムの日本酒ペアリングも的確。
個人的には昨今のナチュールブームに疲れてきたが、こういう店は貴重だと思う。
というわけで、今年も貴重な食体験を重ねることができたことに改めて感謝したい。
来年も健康に留意しつつ、食べ歩きを継続することができれば幸いに思う。
皆様、良いお年をお迎えください。